フーリエ光学 & 波面収差
タイトル | フーリエ光学 & 波面収差 |
単行本 | B5判 ソフトカバー |
著者 | ラウ ツンデウオ |
発行 | 東京図書出版 |
出版日 | 2023年7月20日 |
ISBN | ISBN978-4-86641-680-9 |
Cコード | C3047 ¥13637E |
定価 | 本体13,637円+税 (15,000 円 税込、送料無料) |
購入方法 |
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近年、医学分野、特に眼科学においては、急速な進歩が見られている。
その中でも、白内障手術で使用される眼内レンズの光学設計は、大きく進化してきたと同時により正確な視覚評価が求められるようになった。
波面センサーやPSF (Point Spread Function) アナライザー開発により、白内障などの眼球光学特性の詳細な評価が可能となった。
こうした背景から、より高度な光学特性の解析が必須となっている。
眼光学系を評価する際には、幾何光学が最も理解しやすい手法だが、光の回折、干渉、散乱現象、偏光状態など、幾何光学では説明できない現象もある。
このような現象を説明するためには、波動光学が必要となる。
しかし、波動光学には複雑で難解な数式が多く存在し、初学者にとっては理解が難しいという課題がある。
本書は、眼光学系の視覚評価において、波動光学をわかりやすく説明することを目的とし、難解な数式を理解することよりも、物理的な意味を深く理解することを重視している。
初学者にもわかりやすい内容にするため、専門用語の説明や図を多用し、実際の応用例も豊富に取り上げている。
本書を読了することで、眼光学系の波動光学についての確固たる理解を得るとともに、自分自身の研究にこれらの概念を適用するための知識とツールを備えることができる。
第1章 数学公式の復習
この章では、眼光学に必要な波動光学の数学的公式をわかりやすく解説する。
一部の公式は少々難解かもしれないが、これらは波動光学の原理を証明するために使用されている。
数学的公式が苦手な方でも、必要な部分だけ読むことで、眼光学における波動光学の理解を深めることができる。
第2章 フーリエ光学
光が波であると考えると、干渉(英:interference)や回折(英:diffraction)などの性質が波動光学(英:wave optics)で説明できる。
特に、眼の光学特性(英:optical property)を正確に求めるためには、波面収差(英:wavefront aberrations, wavefront error)や瞳孔径(英:pupil size)を用いることが重要である。
本章では、焦点を持つ光学系について、フーリエ光学を使って簡単に解析する方法をわかりやすく説明する。
説明には難しい式が多数あるが、最終的にはフーリエ変換だけで解析できるため、フーリエ光学を応用する場合には非常にシンプルになる。
第3章 結像
ここでは、前章で解説したフーリエ光学を用いて、物理的な結像について述べる。
光学的な観点からは、単一波長による結像問題を中心に解説する。
第4章 波面収差
これまで、理想的な光学系において、光源から放射された球面波が光学系を通過して一点に収束する場合を解説してきた。
しかし、実際の光学系ではこのように理想的な状況にはならない。
実際の波面は理想的な球面からずれたものであり、このずれを波面収差と呼ぶ。
本章では、波面収差を分類するための展開式について解説する。
第5章 模型眼
模型眼は、眼球の光学的性質を研究するためによく用いられる簡易的な眼球モデルである。
実際の眼球は非常に複雑であり、解析が難しいため、模型眼は実験や理論的な研究で広く使用されている。
本章では、一般的な模型眼の構造やその特性について紹介する。
第6章 眼球の波面収差および網膜結像
近年、眼科臨床において、より精度の高い波面収差測定が可能となり、視覚の質(英:quality of vision, QOV)の向上が期待できるようになった。
本章では、波面センサを用いた眼球の波面収差測定や、網膜結像の推定方法について解説する。